老年看護学Ⅱ(5回目)糖尿病の高齢者看護

老年看護学

高齢者の糖尿病をテーマに看護教員用の授業案と学生用資料です。noteで販売している有料版はWord形式のファイルをダウンロードできるようになっています。ぜひご活用ください。

事例演習 <一部抜粋>

事例で考える糖尿病高齢者の支援


〇さん(85歳・女性)は、独居で自宅生活を送っている。10年前に2型糖尿病と診断され、現在はDPP-4阻害薬を1日1回内服している。近隣のクリニックに月1回通院しているが、最近は足のしびれとふらつきがあると話すようになった。


訪問看護師の記録より:

  • HbA1cは7.8%とやや高め
  • 食事は毎日自分で準備しているが、「最近はおかずが面倒で菓子パンだけのことがある」と話している
  • 夏ごろから3kg体重減少
  • 足の爪が伸びており、足趾に皮むけと軽度の発赤あり
  • 室内でつまずいたことが2回あり、玄関に手すりはない
  • デイサービスは「人付き合いが苦手」と通っていない

【課題1】以下の点からアセスメントを行いなさい。

  1. 血糖コントロールと生活習慣の関係
  2. フットケアが必要な理由と観察ポイント
  3. 低栄養・フレイルの可能性とその影響
  4. 転倒リスクに関わる要因
  5. 今後必要な支援(看護・多職種連携)

解答例・指導者用

1. 血糖コントロールと生活習慣の関係

  • 食事が簡便化しており、栄養バランスが崩れている可能性が高い(GI値が高い食品中心)。
  • 通院継続はできているが、セルフケア意欲の低下が示唆される。

2. フットケアが必要な理由と観察ポイント

  • 足のしびれは糖尿病性末梢神経障害が考えられる。自覚しづらいため傷に気づきにくく、感染や潰瘍のリスクがある。
  • 観察ポイント:足趾の変色、発赤、潰瘍、皮膚の乾燥・亀裂、爪の状態など。

3. 低栄養・フレイルの可能性とその影響

  • 食事摂取量が減少し、体重減少も認められるため、サルコペニアやフレイルの兆候。
  • 筋力低下は転倒・骨折・ADL低下を招く。食事内容と咀嚼力、買い物・調理能力の評価も必要。

4. 転倒リスクに関わる要因

  • 足のしびれとふらつき→感覚・平衡障害
  • 室内環境(手すりの未設置)
  • 栄養状態・筋力の低下
  • 運動習慣や生活空間の安全性評価が必要

5. 今後必要な支援(看護・多職種連携)

  • 看護:栄養・フットケア指導、低血糖の予防、生活習慣の見直し支援
  • 管理栄養士:バランスの取れた簡単調理メニューの提案
  • 介護支援専門員:手すり設置や訪問サービス導入など福祉用具の利用調整
  • デイサービス:社会的交流の場として再提案

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