在宅看護論Ⅰ(日常生活の援助)シラバス例

在宅看護論

目的

在宅療養者が自宅でその人らしく生活を継続できるように、日常生活に関する看護援助の基本を学び、実践的な看護技術と態度を修得する。

到達目標

  1. 在宅における日常生活援助の基本的知識と技術を説明できる。
  2. 療養者と家族の生活背景を理解し、適切な援助を考えることができる。
  3. 呼吸・栄養・排泄・移動・清潔などの基本的援助技術を理解できる。
  4. 疼痛を抱える療養者への援助について基本的理解をもてる。
  5. 療養者との信頼関係を構築するための態度とマナーを理解し、実践に活かすことができる。

授業内容(全8回)


第1回 在宅看護の基本と療養者の生活理解

  • 在宅看護の定義と目的
  • 在宅療養者の特徴と生活環境の多様性
  • 家族の役割と生活支援の視点
  • 看護師に求められる態度とマナー(訪問時の配慮)

第2回 在宅看護を支えるコミュニケーション

  • 信頼関係構築のための基本的コミュニケーション技術(傾聴・共感・受容)
  • 療養者・家族との関係づくり
  • 難しい状況での対応(終末期、認知症、家族の葛藤など)
  • 多職種との連携における情報共有の工夫

第3回 呼吸に関する援助と在宅呼吸療法(酸素療法・NPPV)

  • 呼吸状態の観察(呼吸数・SpO₂・胸郭の動き)
  • 呼吸を楽にする援助(体位、加湿、環境調整)
  • 在宅酸素療法の導入・使用方法・管理と安全対策
  • NPPVの基礎知識(目的・機器・マスクの管理)
  • 機器使用時の皮膚トラブルや不快感への対応

第4回 食生活の援助と経管栄養法

  • 摂食・嚥下障害への理解と観察
  • 食事介助の工夫(姿勢・環境・食形態)
  • 胃ろうや経管栄養の目的と方法
  • 注入手順、観察ポイントと合併症予防
  • 家族によるケア支援の方法と教育

第5回 排泄援助とカテーテル・ストーマ管理

  • 排泄援助の基本(トイレ誘導、オムツ交換、排泄パターンの把握)
  • 膀胱留置カテーテルのケアと感染予防
  • ストーマの種類と装具の取り扱い
  • 皮膚トラブルへの対応とセルフケア支援

第6回 移動・移乗支援と褥瘡予防

  • ベッド上・車椅子への移動援助技術
  • 体位変換・ポジショニングの工夫
  • 褥瘡のリスク評価と予防的アプローチ
  • 体圧分散寝具・除圧具の活用方法
  • 生活環境整備と転倒予防

第7回 清潔援助(全身・口腔・部分清拭など)

  • 在宅における清潔援助の重要性
  • 清拭・部分浴・洗髪の手順と観察点
  • 口腔ケアの技術と誤嚥性肺炎予防
  • 清潔保持とQOL向上の関連性

第8回 在宅における疼痛緩和ケア

  • 疼痛のアセスメント(言語的・非言語的サイン)
  • 疼痛の種類(急性・慢性・がん性)と看護の視点
  • 薬物療法と非薬物療法の組み合わせ
  • 在宅でできるリラクゼーション・ポジショニング・温罨法など
  • 家族の不安軽減とケア継続への支援

本教材のご利用にあたって


1. 教材の目的と活用方法について
本教材は、授業設計の「骨格」としてご活用いただくことを目的に作成しております。各教育機関のカリキュラムや学生の学習レベルに応じて、柔軟に調整・アレンジしていただくことを推奨しております。スライドや板書の追加、発問の工夫など、先生方それぞれの教育スタイルに合わせてご利用ください。
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本教材は、AIツールを活用して初稿を作成し、その後、看護教員としての専門的な視点を反映させながら、内容の精査と調整を行っております。効率と質の両立を意識し、現場で実際に使いやすい資料となるよう整えておりますが、ご使用にあたっては、必ずご自身で内容やエビデンスをご確認のうえ、授業内容に適した最終的な調整をお願いいたします。
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