「え、今日の授業…誰も話聞いてなくない?」「え、質問しても返ってこない…」これは、私が看護教員1年目のときに感じたリアルな戸惑いでした。
臨床経験は7年。新人指導や患者説明には自信があったはず。でも、教壇に立った瞬間、それはまったく別世界だったのです。
授業がうまくいかない…その理由
看護教員1年目で私が最初にぶつかった壁。それは、「授業が“伝わってない”感じがする」ことでした。
たとえば、「清潔援助」の授業。
一生懸命、教科書通りに洗髪や清拭の手順、観察のポイントを説明しました。
でも、教室の雰囲気は…
(下を向いて無言。ノートもあまり書いていない)
「…これって臨床でどう活かせると思う?」
「……(沈黙)」
話すのは私だけ。学生の反応が薄く、「これでいいのかな」と毎回不安でした。
授業づくりのコツは「逆算思考」
ある考え方が言葉が私を変えました。
「“何を話すか”じゃなくて、“学生が授業後に何ができていればいいか”を考える」ということです。
つまり、「教える内容」ではなく、「学習のゴール」から授業を設計する。
授業づくり4ステップ(実際の例付き)
▶ テーマ:「清潔援助」
▶ 目的:清潔援助の意義と、安全・安楽への配慮を理解する
▶ 目標:
- 清拭・洗髪の根拠を説明できる
- 対象者の状態に応じた援助内容を選べる
- 援助に必要な準備物・観察項目を挙げられる
▶ 授業構成(90分)

教員1年目の「リアルなつまずき」と解決ヒント

最後に:完璧じゃなくていい。伝えたい気持ちが一番大事
最初の頃は、授業のたびに落ち込んでいました。
「伝わっていない気がする」「もっと上手に教えたい」そう思うのは、学生に向き合っている証拠です。
今は、AIを使えば授業案のたたき台をつくるのも、教材づくりも、ずっとラクになりました。
でも、“どんなふうに伝えたら学生が反応してくれるか”を考えるのは、やっぱり人間の役割です。伴走しますので一緒に走っていきましょう。