この記事で分かること
(1)職場の人間関係の悩みに対しての、具体的な対処法。
(2)人間関係が悪化しやすい看護教員の職場環境で、働き続けることの具体的なデメリット。
(3)転職のための情報収集や専門家サポートの活用方法。
看護教員における「人間関係の悩み」とは

看護師の離職理由として常に上位に挙げられるのが「人間関係のトラブル」です。これは臨床現場だけに限らず、看護教育の現場でも例外ではありません。
看護教員の職場で起こりやすい人間関係の問題
以下のような場面で、精神的な負担や葛藤を感じやすくなります。
(1)上司との関係
・教育方針や授業内容に対する圧力や指示の押しつけ
・評価の不透明さやフィードバック不足
・パワハラに近い言動や、意見を封じる雰囲気
(2)同僚との関係
・価値観や教育観の違いによる衝突
・担当科目の分担や学生指導に対する温度差
・情報共有が不十分なことによる誤解や不信感
(3)学生との関係
・態度や学習意欲の低さに対するストレス
・SNSなどを介した評価やうわさ話の影響
・学生支援に過度な時間やエネルギーを求められることによる負担
看護教員が職場の人間関係の課題に直面したときの対処法

人間関係の悩みは、心が疲弊し、最悪の場合、回復が困難な状態に陥る危険性があるため、早期の対処が極めて重要です。
看護教員という職種は、教育者でありながら医療専門職としての高い倫理観や対人スキルも求められます。だからこそ、人間関係で悩んでしまうと、その負担は大きくなりがちです。ここでは、職場の人間関係に悩んだときの対処法について、看護教員としての視点から具体的にご紹介します。
(1)「人は変わらない」という前提を受け入れる
他人を変えることは、基本的にはできません。どれだけ相手に改善を求めても、ご本人が変わる気持ちを持たなければ変わることはないのです。そのため、「どうすれば変えてもらえるか」よりも、「自分がどう対応するか」を考えるほうが、ストレスが少なくて済みます。
例:攻撃的な上司の発言に一喜一憂せず、「あの人はそういう価値観の人なんだ」と受け流すことで、心が楽になることもあります。
(2)適度な距離を保つ
同じ職場で働いている以上、完全に関わりを断つことはできません。ですが、「業務上必要なとき以外はできるだけ距離を取る」という工夫は可能です。物理的・心理的な距離を保つことで、無用なストレスを回避できます。
・なるべく視界に入らない席を選ぶ
・必要以上に雑談をしない
・メールで済む内容は口頭で話さない など
(3)「見方を変える」視点を持つ
苦手な相手にどうしても関わらなければならない場合、「見方を変える」ことが有効です。
・相手の良いところを一つでも見つけてみる
・「この人のようにはならないでおこう」と反面教師にする
・「宇宙人だと思って接する」など、ユーモアを交えて捉える
(4)良い意味で「あきらめる」
「あの人を変えなければ」と思い続けていると、自分ばかりが疲れてしまいます。相手の性格や振る舞いを「その人の生き方なんだな」と受け入れることで、余計なストレスから解放されることもあります。境界線を引いて、自分の心の安全を第一に守ることが大切です。
(5)教育・研究業務に集中する
人間関係の悩みがあると、つい気が取られてしまいますが、自分の本来の役割に集中することで、気持ちのバランスが保てます。
・学生の成長に向き合う
・授業づくりに没頭する
・自分の専門性を高める など
(6)自分を否定しない
攻撃的な言葉を受けると、自分の価値まで否定されたように感じることがあります。しかし、あなたの価値は、他人の言葉で決まるものではありません。「私は誠実に学生と向き合っている」「私は看護を大切にしている」と、自分自身の努力と姿勢を肯定し続けてください。あなたが自分を信じることが、心を守る一番の力になります。
(7)「環境を変える」という選択肢もある
「もう少し頑張ればなんとかなるかも」「ここで諦めたら負け」そんな思いで、自分を追い込んでしまっていませんか?ですが、どうしても状況が改善されないのであれば、環境を変えることも選択肢の一つです。
環境を変えることは「逃げ」ではなく「前向きな自己防衛」
・配置転換を申し出る
・他校・他法人への異動を考える
・思い切って転職を検討する(ちなみに筆者はこれ:現在フリーランス) など 👈マジでおススメです
実際の体験として…
私自身、かつて心ない言葉を繰り返し浴びせる上司のもとで、信頼関係が崩れてしまい、働く意味を見失いかけたことがありました。ですが、思い切って転職を決断したことで、現在はのびのびと教育に向き合うことができています。「もっと早く環境を変えていれば」と感じるほど、心の余裕も生活の質も高まりました。
傷ついた心には「戦い」ではなく「回復」が必要です一度深く傷ついた心は、わずかなきっかけで再び傷ついてしまいます。だからこそ、「今の職場でなんとかしよう」と頑張り続けるのではなく、「癒しながら働ける場所を探す」という視点も大切です。自分らしく、専門性を発揮できる場所は必ずあります。心が壊れてしまう前に、自分を守る選択をしてください。
人間関係を悪化させる人の特徴と、看護教育現場で問題が起こる理由

人間関係を悪化させる看護教員の特徴

以下のような言動や性格傾向が見られる人は、周囲との関係を悪化させてしまうことがあります。職場に必ず1人はいるタイプですよね。
(1)言い方がキツイ
言葉づかいが乱暴だったり、指摘が必要以上に厳しかったりすると、相手の自尊心を傷つけてしまいます。
(2)差別的な発言をする
学歴・年齢・立場などで差をつけるような態度は、チームの信頼関係を壊す原因になります。
(3)なんでも否定から入る
「でも」「どうせ」「無理」といった否定語ばかり使う人は、周囲の意欲を削ぎ、人間関係を冷え込ませます。
(4)プライドが高く、高圧的
自分のやり方を絶対視し、他人の意見を受け入れない態度は、周囲を委縮させてしまいます。
(5)協調性や思いやりに欠ける
チームでの協働が基本である看護教員の仕事において、共感力や協力性の欠如は大きな障害となります。
(6)悪口や陰口が好き
噂話や人の悪口が日常的になると、職場の雰囲気はどんどん悪化していきます。
看護教育の現場で人間関係が悪化しやすい理由

人間関係に悩みやすい背景には、看護教員ならではの職場環境や人間構成も深く関係しています。
(1)女性が多い職場
看護教育の現場は、圧倒的に女性が多い職場です。すべての女性がそうであるわけではありませんが、「言葉に出さずに圧をかける」「同調圧力が強い」などの心理的な負担が生じやすいのも事実です。そのため、以下のような現象が起こりやすくなる傾向があります。
・無意識の派閥形成
・陰口・噂話・仲間外れ
・感情的な対立
(2)気が強い人が集まりやすい
「強い人のぶつかり合い」が起きると、職場全体の空気がピリつく原因にもなります。
・口調がきつい
・攻撃的・挑発的
・高圧的で譲らない
・自分の意見が絶対だと思っている
(3)緊張感のある仕事内容
看護教員の仕事には、常に高いプレッシャーがつきまといます。こうした業務上の緊張感やストレスは、余裕のなさや感情の摩擦を生み、人間関係の悪化を引き起こす温床になり得ます。
・学生の育成や指導責任
・国家試験合格へのプレッシャー
・実習施設との調整や交渉
・学内での評価や立場の競争
人間関係が悪い職場で働き続けるデメリット
人間関係が悪い職場で働き続けることのデメリット
(1)報連相がしづらくなる
人間関係が悪いと、気軽に報告・連絡・相談(報連相)ができなくなります。
「こんなこと聞いたら怒られるかも…」と萎縮してしまい、必要な情報が共有されないまま業務が進むことも。
(2)ミスを起こしやすくなる
ストレスによって集中力が落ちたり、緊張が続いて注意力が散漫になったりすることで、本来起きなかったはずのミスが生じてしまうことがあります。
(3)良好なチームワークが発揮されない
看護教員の仕事は、個人戦ではなくチーム戦です。
他の教員との連携・協力が不可欠ですが、人間関係が悪いと意見交換や協働が難しくなり、本来の教育の質も低下してしまいます。
良好な環境を見つけるために:情報収集とサポートの活用を
もし現在の環境に限界を感じているなら、新たな職場を検討するのも立派な選択肢です。その際に重要なのは、「思いつきで転職する」のではなく、徹底した情報収集と信頼できるサポートを活用することです。
情報収集のポイントと活用方法
(1)外部の専門家による情報提供を活用する
看護師向けの転職サイトは、医療業界全般の情報に精通しています。看護教員の求人が掲載されることもあり、職場の雰囲気や内部事情(例:過去の離職理由)などを把握できることがあります。

特に看護教員は訪問看護看護への転職ニーズが高いことをご存じでしょうか?大きくライフスタイルを変えることなく、収入アップも見込めるからです。ぜひこちらの記事も参考にされてください。
(2)キャリア相談や条件交渉の支援を受ける
「どんな職場が自分に合っているか分からない」「希望条件があるけれど伝えづらい」などのお悩みも、コンサルタントとの相談を通して整理することができます。
給与・勤務時間・校風などについても、代理で交渉してもらえるケースがあります。
(3)信頼できる担当者(アドバイザー)を見極める
転職支援を利用する際には、ご自身の話を親身に聞いてくれる担当者かどうかをしっかり見極めましょう。
もし「合わない」と感じた場合は、遠慮せずに担当変更をお願いすることも可能です。
看護教員にとっても、環境選びは人生を左右する
看護師向け転職サービスは、看護教員の求人も扱うケースがあり、教育現場に詳しい担当者が付くこともあります。
また、教員間のネットワークやSNS、学会などを通じて、現場の「リアルな情報」を聞くことも大切です。
まとめ

職場の人間関係の悩みは、看護教員にとっても看過できない問題です。人間関係で疲弊し、心が壊れてしまう前に、ご自身の心身の健康と教育への情熱を守るための対策を講じることが重要です。
• 他者は変わらないという事実を受け入れ、ご自身の考え方や行動を調整する。
• 適切な距離を保ち、見方を変え、良い意味で諦めることで、ストレスを軽減する。
• 自身の業務・教育活動に集中し、決してご自身を否定しない。
• 配置転換や他機関への異動・転職など、「環境を変える」という選択肢も視野に入れる。
• 新たな環境を検討する際は、徹底的な情報収集と、専門的なサポートの活用を検討する。
ご自身の未来の選択肢を広げるために、まずは情報収集から始めてみることが推奨されます。あなたがあなたらしく、生き生きと教育活動に取り組めることを願っています。
ここまで読んでくれた看護教員の皆さんへ
最後まで読んで下さりありがとうございます。
それでも転職にはあと一歩を踏み出せないという方もいらっしゃると思います。そんなあなたに選択肢をもっていただくための記事を紹介します。
副業をすることで収入の柱を増やし、いずれ看護教員をやめる方法です。お金はかからないので失敗してもリスクなしです。(時間と労力はかかりますが、、)私も実際に行っている副業です。特にココナラは始めやすくておススメです。検討されてみて下さい。