成人看護学(脳神経)シラバス例 

成人看護(脳神経)

■科目名:成人看護学Ⅲ「脳神経機能障害の看護」

授業の目的


脳神経機能障害を有する成人患者の病態と看護を理解し、急性期から回復期までの適切な看護実践ができるための知識と判断力を養うことを目的とする。

到達目標

  1. 脳神経系の構造と機能、基本的なアセスメント方法について説明できる。
  2. 脳神経機能障害に関する主要な疾患の病態生理と治療を理解できる。
  3. 対象の状態に応じた適切な看護援助を具体的に考察できる。
  4. 各種検査・処置・手術とその看護上の留意点を説明できる。
  5. 対象の心理的・社会的側面への理解を深め、支援の視点を持つことができる。

授業構成(全8回)


第1回 脳神経系の基礎と神経学的アセスメント

  • 中枢神経系・末梢神経系の構造と機能
  • 神経学的アセスメントの視点:意識レベル(JCS、GCS)、瞳孔・眼球運動、運動機能、知覚、言語・記憶
  • 観察項目と看護への活用方法
  • ケースを用いたアセスメント演習

第2回 脳卒中の理解と急性期の看護

  • 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の病態と診断
  • 治療の概要(t-PA、血栓回収療法、降圧・止血・脳圧管理)
  • 急性期における看護:観察ポイント、急変時対応、リハビリテーション開始時期の判断
  • 実際の症例を用いたアセスメントと看護の検討

第3回 頭部外傷と脳腫瘍の病態と術前・術後の看護

  • 軽度〜重度の頭部外傷の分類と初期対応
  • 慢性硬膜下血腫・外傷性脳損傷の看護
  • 脳腫瘍の種類(良性・悪性)と治療方針
  • 手術前の説明・準備と術後管理(意識・脳浮腫・感染・合併症への対応)

第4回 脳炎・髄膜炎の病態と感染管理を含む看護

  • 脳炎(ヘルペス脳炎など)、髄膜炎(細菌性・ウイルス性)の病態と治療
  • 急性期の神経症状(けいれん・意識障害・発熱)への対応
  • 感染対策(標準予防策・飛沫・接触予防策)
  • 家族への説明と精神的サポート

第5回 高次脳機能障害への理解と回復期の支援

  • 高次脳機能障害の種類(失語・失行・記憶障害・注意障害など)
  • 病態に応じた支援の工夫と生活上の援助
  • リハビリテーションとの連携と多職種協働
  • 家族の理解とケアの継続を支える看護

第6回 頭蓋内圧亢進と脳ヘルニアの緊急対応

  • 頭蓋内圧のメカニズムと脳ヘルニアの種類(小脳扁桃ヘルニア、脳鎌下ヘルニアなど)
  • 臨床徴候(Cushing現象、瞳孔不同、意識低下)と緊急対応
  • ICPモニタリングと脳圧コントロールの実際
  • 神経集中治療における看護の役割

第7回 脳神経疾患に関わる検査とその看護

  • 腰椎穿刺の目的・実施手順と看護
  • 脳血管撮影・CT・MRIの特徴と検査前後の注意点
  • 簡易知能検査(HDS-R、MMSE)の概要と実施上の配慮
  • 神経系検査における患者不安への対応

第8回 開頭術を受ける患者の周手術期の看護

  • 開頭術の適応疾患と術式(腫瘍摘出・血腫除去など)
  • 周手術期における看護(術前説明・精神的支援、術後管理、ドレーン・頭蓋固定具の管理)
  • 術後合併症(脳浮腫・感染・出血・てんかん)とその予防
  • 回復期支援とセルフケアの促進、退院支援の考え方

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