看護教育において、実習指導は学生の学びを深める大切な機会です。しかし、学生のパフォーマンスを公正かつ明確に評価することは簡単ではありません。
そんな課題を解決するツールとして「ルーブリック」が注目されています。本記事では、看護教員向けにルーブリックの基本、作り方、活用方法を具体的に解説します。
ルーブリック(例):Wordファイルダウンロード
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ルーブリックとは?看護教育での評価ツール

(1)ルーブリックの定義
ルーブリックとは、学生のパフォーマンスを多面的に評価するためのツールです。評価基準や達成度の段階、具体的な説明を明示することで、学生にとって分かりやすく、公正な評価が可能になります。
(2)看護教育で評価できるスキル
看護技術
判断力
コミュニケーション能力
チームワーク
ルーブリックを使うメリット

(1)評価の透明性
(2)評価の一貫性
(3)自己改善を促す
ルーブリックの構成要素

(1)評価基準(Criteria)
評価の対象となる項目を明確にします。看護教育では、次のような基準が一般的です。
(2)評価レベル(Levels)
各評価基準に対して、達成度を示す段階を設定します。一般的には4~5段階で表します。
- 4段階評価:優、良、可、不合格
- 5段階評価:卓越、優、良、可、不合格
評価レベルを設定することで、学生が目標にどの程度到達しているかを明確に判断できます。
(3)記述(Descriptors)
各評価レベルに対応する具体的な説明を作成します。具体的な表現にすることで、学生は自分の強みや改善点を把握しやすくなります。
具体例:看護技術
優(Excellent) | 手技を正確に実施し、患者の安全を確保しています |
良(Good) | 手技はほぼ正確ですが、一部改善が必要です |
可(Satisfactory) | 手技に誤りがあり、再指導が必要です |
不合格(Unsatisfactory) | 手技に重大な誤りがあり、患者の安全が脅かされる可能性があります |
ルーブリックの作成手順

(1)評価基準の設定
実習や授業の目的に沿って、評価対象を決めます。上記の例のように、看護技術・判断力・コミュニケーション・チームワークなどが挙げられます。
(2)評価レベルの設定
各評価基準に対して、4~5段階で達成度を設定します。段階ごとの名称を明示することで、学生が目標を理解しやすくなります。
(3)記述の作成
各レベルに対応する具体的な説明を作ります。具体例を添えることで、学生が自己評価や改善に役立てやすくなります。
ルーブリックの活用方法

ルーブリックは、作成するだけでなく、実際の実習や授業で効果的に活用することが重要です。具体的には、次の手順で使います。
(1)実習前に学生に提示
実習が始まる前にルーブリックを学生に配布します。これにより、学生はどのスキルが評価されるかや目標となる達成レベルを理解でき、意欲的に実習に取り組むことができます。
(2)実習中の観察と記録
実習中は、学生の行動をルーブリックに沿って観察し、具体的に記録します。これにより、どの基準が達成できているか、どこに改善が必要かを明確に把握できます。
(3)実習後の評価とフィードバック
実習終了後は、ルーブリックを使って評価を行い、学生に結果を返します。フィードバックは具体的かつ前向きな内容にし、改善策や次回に向けた目標も示すことが大切です。
まとめ
看護教育において、ルーブリックは学生の学びを深め、公正かつ効果的な評価を行うための強力なツールです。評価基準・評価レベル・具体的な記述を整え、事前提示・実習中観察・フィードバックの流れで活用することで、学生の成長を最大限にサポートできます。
本教材のご利用にあたって
1. 教材の目的と活用方法について
本教材は、授業設計の「骨格」としてご活用いただくことを目的に作成しております。各教育機関のカリキュラムや学生の学習レベルに応じて、柔軟に調整・アレンジしていただくことを推奨しております。スライドや板書の追加、発問の工夫など、先生方それぞれの教育スタイルに合わせてご利用ください。
2. AIツールを活用した資料作成について
本教材は、AIツールを活用して初稿を作成し、その後、看護教員としての専門的な視点を反映させながら、内容の精査と調整を行っております。効率と質の両立を意識し、現場で実際に使いやすい資料となるよう整えておりますが、ご使用にあたっては、必ずご自身で内容やエビデンスをご確認のうえ、授業内容に適した最終的な調整をお願いいたします。
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