科目名
基礎看護技術Ⅰ(安全・安楽・コミュニケーション)
授業の目的
看護の基盤となる安全・安楽・コミュニケーションに関する基礎的技術を理解し、根拠に基づいて実践できる力を養う。
到達目標
- 看護技術の概念と基礎的意義を理解できる
- 感染予防に関する基本的知識と実践方法を説明できる
- 看護におけるコミュニケーションの役割と構成要素を理解できる
- 安全・安楽に配慮した援助技術を根拠に基づいて実践できる
- 技術を倫理的視点から捉え、対象者に配慮した看護ができる
授業内容(全10回)
第1回:看護技術とは何か
- 看護技術の定義と分類(直接的技術/間接的技術)
- 看護技術の実践場面(ベッドサイドケア・処置・援助)
- 医療技術との違い、看護の専門性
- 「根拠に基づく技術」と「思いやりに基づく技術」のバランス
- 技術に対する患者の反応と心理的側面
第2回:看護技術の概念と基盤
- 技術に必要な3要素(知識・技術・態度)の事例紹介
- 倫理的配慮(プライバシー保護、説明と同意)
- 「失敗できない」現場での判断力とは
- 実際の場面で技術を行う際の準備と確認項目
- ケース検討:ある学生がバイタル測定を行ったときの課題と改善点
第3回:感染予防の基礎知識
- 感染の連鎖(感染源・感染経路・感受性宿主)の具体例
- 医療関連感染(HAI)の実例と影響
- 感染症法における分類と対応の違い
- 手袋・マスク・エプロンの適切な使用場面
- 実践:身近な物品を使った清潔・不潔の見極めワーク
第4回:スタンダードプリコーションの理解と実践
- なぜ「すべての対象者に」適用するのか:HIV・C型肝炎の例から
- 手指衛生のタイミング(WHO「5つのタイミング」)
- アルコール消毒と石けんの使い分け
- 実践演習:正しい手洗いチェック(ブラックライト使用など)
- ケーススタディ:PPEを適切に使えなかった場面の分析
第5回:洗浄・消毒・滅菌の技術
- 各レベルの違いと適用例(例:血圧計・ピンセット・注射器)
- 消毒薬の種類と使用時の注意(次亜塩素酸・グルタラールなど)
- 物品管理と院内物流の基礎知識
- 器材の分類(非侵襲・半侵襲・侵襲)と洗浄法の違い
- 実演:洗浄~保管までの流れを動画等で確認
第6回:無菌操作の基礎
- 清潔・不潔の原則と区別
- 無菌野の設定と維持(器械台上の配置ルール)
- 無菌操作の代表場面:採血・ドレッシング・導尿など
- 演習:滅菌パックの開け方、ガウンと手袋の装着手順
- ケーススタディ:無菌野の汚染に気づけなかった事例の検討
第7回:コミュニケーションの基礎原理と構成要素
- メッセージの伝達モデル(シャノン&ウィーバー)
- フィードバックの重要性と具体例
- 看護場面における伝達エラー(報告・連絡・相談のずれ)
- 実践:伝言ゲームで「伝わらない」ことを体験
- ラポール形成の初期アプローチ(あいさつ、視線、間の取り方)
第8回:言語的・非言語的コミュニケーションの理解
- 言語的表現の工夫:「痛くないですか?」と「痛みはどうですか?」の違い
- 表情・姿勢・身体距離の違いが与える印象
- 非言語的サインを見逃した事例(沈黙・視線回避など)
- 演習:2人1組で「言葉なし」で感情を伝えるゲーム
- 看護師の「沈黙の技法」活用例
第9回:安全確保と事故予防
- 療養環境におけるリスクアセスメント(ベッド・床・照明など)
- 転倒・転落の高リスク要因(高齢者・認知症・薬の影響など)
- 看護記録とインシデントレポートの役割
- 実例紹介:夜間の転倒事例から学ぶリスク予防
- 教室内環境を使ったリスク点検ワーク
第10回:安楽を促す看護技術(温罨法・冷罨法)
- 温熱療法・冷却療法の生理的メカニズム
- 適応と禁忌(糖尿病・循環障害・意識障害など)
- 使用物品の確認と準備(湯たんぽ・冷罨器など)
- 実技演習:温罨法と冷罨法の手順と安全確認
- 対象者の観察と効果のフィードバック方法

授業作成に困ったら「看護教員の図書館におまかせ!」

看護教員の問題解決ができる記事がたくさんあるよ
本教材のご利用にあたって
1. 教材の目的と活用方法について
本教材は、授業設計の「骨格」としてご活用いただくことを目的に作成しております。各教育機関のカリキュラムや学生の学習レベルに応じて、柔軟に調整・アレンジしていただくことを推奨しております。スライドや板書の追加、発問の工夫など、先生方それぞれの教育スタイルに合わせてご利用ください。
2. AIツールを活用した資料作成について
本教材は、AIツールを活用して初稿を作成し、その後、看護教員としての専門的な視点を反映させながら、内容の精査と調整を行っております。効率と質の両立を意識し、現場で実際に使いやすい資料となるよう整えておりますが、ご使用にあたっては、必ずご自身で内容やエビデンスをご確認のうえ、授業内容に適した最終的な調整をお願いいたします。
3. 商用利用および転載・再配布の禁止について
本教材は、非営利の教育目的に限定して提供しております。営利目的での利用や、本教材の文章・構成・形式などを無断で転載・複製・再配布すること、あるいは改変しての販売・提供などは固くお断りいたします。教育目的以外でのご利用や二次利用をご希望の場合は、事前にご連絡いただき、書面での許諾を得ていただく必要があります。
【免責事項】
- 本教材は、最新の情報に基づいて十分配慮のうえ作成しておりますが、医療・看護分野の知見は日々変化しております。ご利用の際には、最新のガイドラインや教科書、信頼性のある文献をご参照いただき、必要に応じて内容の確認や修正をお願いいたします。
- 本教材の利用によって生じた結果や損害について、当ブログ管理者は一切の責任を負いかねます。必ず利用者ご自身の責任において、内容をご確認・ご判断のうえご使用ください。