看護教員に興味があるけれど、「どうやったらなれるの?」「実際の仕事はどんな感じ?」と疑問に思っていませんか。
看護教員の仕事は、臨床で働く看護師に比べて夜勤がなく、体への負担は少なめです。また、患者の命を預かるプレッシャーもないため、精神的にも余裕があります。
この記事では、私の経験をもとに、看護教員になるための道のりや必要なスキル・資格について解説します。これから看護教育の世界に踏み出そうと考えている方に、参考になる内容をお届けします。
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STEP1 正看護師の資格を取得する

看護教員になるには、正看護師の資格が必須です。
資格取得のルート
- 専門学校:3年間で基礎から臨床まで学べる
- 短期大学:2〜3年で看護師資格取得+一般教養も学べる
- 大学:4年間で看護学の理論と実践を深く学べる
ポイント:資格を取るだけでなく、現場で活かせる知識や技術をしっかり身につけることが重要です。
学んでおくと役立つ分野
◎看護過程の知識、実習指導でかなりこの知識は使います。
◎基礎看護(ベットメイキング、清潔ケア、バイタルサイン測定、など)。私は学生の頃、ベットメイキングの技術練習をしっかりやっていなかったので、教員になってからかなり困りました。
STEP2 臨床経験を積む(原則5年以上)

看護教員になるには、原則5年以上の臨床経験が必要です。経験年数だけでなく、できるだけ幅広い領域での経験があると有利です。
経験しておくと役立つ領域
- 急性期病棟(救急、ICU、手術室など)
- 慢性期病棟(回復期、療養型、リハビリ病棟など)
- 地域・訪問看護(在宅ケアや地域支援の経験)
あるとさらに強みになる経験
- 新人教育担当、プリセプターや指導者としての経験
- 勉強会や院内研修の企画・実施
私の体験
- 勤務先:慢性期病棟
- 経験年数:7年間
- 担当:新人教育、プリセプター
この経験により、学生が臨床で戸惑った場面でも具体的な対応例をすぐに伝えることができました。色々な経験をしておくことで、学生に対して臨場感のある授業や指導ができるので、臨床での経験はとても貴重です。
STEP3 教員養成講習会または大学・大学院で教職課程を修了する

この記事では、
・STEP3:教員養成講習会を受講
・STEP4:看護学校に教員として応募
となっています。しかし、実際には多くの場合、先に看護専門学校に教員として就職し、その後で教員養成講習会を受講する流れが一般的です。
看護教員として働くには、教員としての知識やスキルを学ぶ必要があります。方法は大きく2つです。
選択肢① 教員養成講習会(約6か月)
- 都道府県や大学が実施
- 看護師養成所指定規則に定められた科目を履修(教育学、心理学、臨床指導法など)
ポイント
- 講習会終了前でも臨床経験年数があれば就職可能
- 働きながら受講できる
私の体験:看護学校の教員として勤務しながら教員養成講習会を受講しました。まずは求人を出している看護学校に、講習会受講前でも就職可能か確認すると良いです。
選択肢② 大学・大学院で教職課程を修了
- 看護教育に特化した大学・大学院で修士号取得
- 教育理論や教授法を体系的に学べる
- 将来的に大学教員を目指す人に特におすすめ
看護学校の教員になる場合に必要な資格
看護専門学校
- 必須資格:正看護師
- 臨床経験5年以上が望ましい場合が多い
看護大学
- 必須資格:正看護師
- 加えて大学教員としての学位(基本は修士以上)
- 研究・教育経験があると採用されやすい
- 専門分野の学術論文や学会発表経験があるとさらに有利
STEP4 教員採用に応募する

看護専門学校、短大、大学などの教員採用にチャレンジします。
応募時のポイント
- 履歴書・職務経歴書・志望動機
- 「教育への思い」を具体例で書く
- 例:「臨床での経験を学生に伝えたい」「新人教育で培った指導力を活かしたい」
面接でよく問われること
- 学生指導への考え方
- 教える力やコミュニケーション力
- 学生がミスをしたときの対応例
臨床での具体的なエピソードを交えて話すと説得力が増します。
看護教員の年収の目安
勤務先 | 年収の目安 |
専門学校 | 約400万~600万円 |
短期大学 | 約500万~700万円 |
大学 | 約600万~800万円 |
勤務先による違い
- 専門学校・短大:比較的控えめだが、経験を積めば昇給のチャンスあり
- 大学勤務:給与は高めだが、論文執筆や研究業務が求められる
- 国公立大学(公務員扱い):手当が充実していて安定感抜群
現場の看護師との収入の差
- 夜勤手当がないため、看護師より年収が下がるケースもある
- 経験や役職(教授・部長など)がつけば年収アップの可能性あり
- お金だけを考えると、看護師のほうが高収入になることが多い
看護教員の仕事内容
授業がある日のスケジュール例
- 8:30 出勤・授業準備
- 9:00 授業(講義・演習)
- 12:00 昼休み(学生対応や会議が入ることも)
- 13:00 授業 or 実習指導
- 16:30 事務作業(レポート添削・会議など)
- 18:00 退勤(ただし持ち帰り仕事あり)
実習指導の日のスケジュール例
- 7:30 実習先に直行
- 8:30 学生指導・カンファレンス
- 12:00 昼休み(学生の相談対応で休めないことも)
- 16:30 振り返り・指導
- 18:00 退勤(実習日誌の確認や評価が残る)
看護教員の働き方のリアル
- 夜勤なし!ただし持ち帰り仕事が多い
- 休日も学会やオープンキャンパスで潰れることがある
- カレンダー通りに休めるが、授業準備や採点で休日返上することも
- 臨床より肉体的負担は減るが、時間的余裕は意外とない
看護師と看護教員の違い
仕事内容の違い
- 看護師:患者のケアが中心
- 看護教員:学生の成長を支えるのが中心
項目 | 看護師 | 看護教員 |
主な仕事 | 患者のケア、処置、記録 | 授業、実習指導、試験作成 |
直接ケア | あり(身体援助、点滴、処置など) | なし(学生の指導がメイン) |
救急対応 | 救急対応、救急搬送 | 実習先でのトラブル対応 |
事務作業 | カルテ記録、申し送り | 授業準備、成績評価、レポート添削 |
休日の仕事 | オンコールなど | 授業準備や試験作成で持ち帰り作業が多い |
やりがいの違い
- 看護師のやりがい
- 患者が回復する姿を間近で見られる
- 「ありがとう」の言葉を直接もらえる
- チーム医療の一員として働ける
- 看護教員のやりがい
- 学生の成長を実感できる
- 「先生のおかげで合格できました!」と言われる
- 看護業界全体の未来に貢献できる
ストレスの違い
- 看護師のストレス
- 急変やミスのプレッシャー
- 夜勤や長時間労働
- 患者や家族からのクレーム対応
- 看護教員のストレス
- 学生が思うように成長しない
- 授業準備や試験作成のプレッシャー
- 実習先でのトラブル対応
看護教員に向いている人・やりがい
向いている人
- 教えることが好き
- 人の成長を喜べる
- 忍耐力・観察力・柔軟な対応力がある
(逆に、授業準備や書類作業が苦手な人は大変に感じやすい)
やりがい
- 学生の成長を間近で感じられる
- 自分自身も常に学び続けられる
- 教員間の人間関係や業務量に悩むこともあるが、学生の笑顔に救われる
まとめ
「病院以外で看護師の資格を活かしたい」そんな選択肢のひとつが 看護教員 です。夜勤がなく、休日はカレンダー通りに取りやすい働き方。身体的な負担を減らしながら、未来の看護師を育成できるという、大きなやりがいがあります。授業準備や学生指導は大変ですが、教えた学生が成長していく姿を見られるのは、何よりの喜びです。
看護教員になるには、看護師としての臨床経験 に加え、専任教員講習 や 大学での単位履修 が必要です。病院で積んだ経験を教育に活かしたい方には、ぴったりのキャリアといえるでしょう。
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