科目名
看護研究
目的
看護の現場で直面する疑問や課題を科学的に探求する力を育成する。看護研究の基礎的知識と方法を理解し、研究計画を立案できる能力を身につけることを目的とする。
目標
- 看護研究の意義と臨床における役割を理解することができる。
- 研究課題を明確にし、テーマ設定ができるようになる。
- 文献検索やレビューを通して、先行研究を整理できるようになる。
- 量的・質的研究の基礎的な方法を理解し、比較できるようになる。
- 倫理的配慮の必要性を理解し、倫理的な観点から研究を構想できるようになる。
- 研究計画書を構造的に作成することができる。
授業構成(全10回・各90分)
第1回:看護研究とは何か
・看護研究の定義と目的を理解する
・臨床と研究の関係を考察する
・看護研究の実例(論文・事例)を紹介し、役割を考える
・Evidence-Based Practice(EBP)との違いと関連を学ぶ
第2回:研究課題の見つけ方とテーマ設定
・臨床での疑問から研究課題を導く方法を学ぶ
・研究課題と研究テーマの違いを理解する
・自分の関心からテーマを設定する演習を行う
・良い研究テーマの条件(明確性・具体性・重要性)を確認する
第3回:文献検索とレビューの方法
・研究の基盤となる先行研究の重要性を理解する
・データベース(CiNii、PubMed、医中誌)を使った検索方法を学ぶ
・キーワードの選定と検索式の作成を演習する
・文献レビューの書き方を学ぶ(要点の整理とまとめ方)
第4回:研究目的と研究疑問の立て方
・研究目的と研究疑問の違いと関係性を理解する
・研究目的が明確であることの重要性を学ぶ
・研究目的から研究疑問を導き出す練習を行う
・良い研究疑問の条件(明確・答えられる・重要)を整理する
第5回:量的研究の基礎
・量的研究の特徴と利点を理解する
・主要な研究デザイン(実験的・記述的・相関的)を学ぶ
・変数、尺度、信頼性・妥当性の基本概念を理解する
・量的研究論文を読み、構成や方法を分析する演習を行う
第6回:質的研究の基礎
・質的研究の目的と特徴を理解する
・データ収集方法(インタビュー・観察など)を学ぶ
・質的研究のデータ分析(SCAT、グラウンデッド・セオリー)の概要を学ぶ
・質的研究論文の構成と特徴を把握する
第7回:対象者の選定とデータ収集方法
・研究対象者の選定方法(無作為抽出、目的抽出など)を学ぶ
・質問紙、インタビューガイド、観察記録の作成法を具体的に学習する
・データ収集時の注意点と手順を確認する
・簡単な質問項目を自分で作成する演習を行う
第8回:研究倫理とインフォームド・コンセント
・研究における倫理の基本(人権尊重、自己決定など)を理解する
・倫理審査の意義と申請書類の内容を確認する
・インフォームド・コンセントの取り方と説明内容を具体的に学ぶ
・倫理的ジレンマについての事例を検討し、対処法を考える
第9回:データの整理と分析の考え方
・量的データの整理(平均・中央値・分布・クロス集計など)を学ぶ
・質的データのまとめ方(コード化・カテゴリ化)の基礎を学ぶ
・簡単な架空データを用いて分析演習を行う
・結果の表現方法(グラフ・表など)を確認する
第10回:研究計画書のまとめ方
・研究計画書の構成(背景、目的、方法、対象、倫理的配慮など)を学ぶ
・サンプル計画書を読みながら要素の整理の仕方を理解する
・これまで学んだ内容を基に、自分の研究計画書を作成する
・グループ内で発表・意見交換し、内容をブラッシュアップする
本教材のご利用にあたって
1. 教材の目的と活用方法について
本教材は、授業設計の「骨格」としてご活用いただくことを目的に作成しております。各教育機関のカリキュラムや学生の学習レベルに応じて、柔軟に調整・アレンジしていただくことを推奨しております。スライドや板書の追加、発問の工夫など、先生方それぞれの教育スタイルに合わせてご利用ください。
2. AIツールを活用した資料作成について
本教材は、AIツールを活用して初稿を作成し、その後、看護教員としての専門的な視点を反映させながら、内容の精査と調整を行っております。効率と質の両立を意識し、現場で実際に使いやすい資料となるよう整えておりますが、ご使用にあたっては、必ずご自身で内容やエビデンスをご確認のうえ、授業内容に適した最終的な調整をお願いいたします。
3. 商用利用および転載・再配布の禁止について
本教材は、非営利の教育目的に限定して提供しております。営利目的での利用や、本教材の文章・構成・形式などを無断で転載・複製・再配布すること、あるいは改変しての販売・提供などは固くお断りいたします。教育目的以外でのご利用や二次利用をご希望の場合は、事前にご連絡いただき、書面での許諾を得ていただく必要があります。
免責事項
- 本教材は、最新の情報に基づいて十分配慮のうえ作成しておりますが、医療・看護分野の知見は日々変化しております。ご利用の際には、最新のガイドラインや教科書、信頼性のある文献をご参照いただき、必要に応じて内容の確認や修正をお願いいたします。
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