ブランク有りでも訪問看護師への転職はできる:看護教員はむしろ推奨
教員経験で培った観察力や伝える力は、訪問看護で大いに活かせます。多くの訪問看護ステーションはブランクに理解があり、充実した教育体制や柔軟な勤務形態で復職をサポートしています。
ただ、復職前には訪問看護の勉強や研修参加が効果的です。また、同行訪問やフォロー体制が整った職場を選ぶことで安心して働けます。教員から訪問看護へ、無理なくスムーズにキャリアチェンジを目指しましょう!
看護教員によくある悩み

「教員を辞めたあと、臨床に戻るとしたら、どこが現実的だろう?」
「病棟はもう体力的にしんどいし、夜勤も厳しい…」
「訪問看護って、一人で訪問するんでしょう?ブランクがある私にできるかな?」
これらは、長年看護教育に携わってきた教員の方からよく聞かれる悩みです。ライフステージの変化や教員職を退いたあと、「もう一度看護に関わりたいけれど、どんな働き方が自分に合うのか分からない」というのは自然な気持ちです。
年齢を理由に転職に足踏み?
もう年齢が40歳過ぎているし、転職なんてできる気がしない。そんなことを考えている人はこの事例を見てください。60歳を超えても転職を繰り返して、自分がしたいことをしている人もいます。
教員経験者にこそ向いている、訪問看護への転職

実は、訪問看護はブランクのある教員経験者にこそ適した働き方です。訪問看護への転職は十分に可能であり、むしろ教員として培ったスキルが現場で活かせる場面が多くあります。
訪問看護が教員経験者に現実的な理由
(1)柔軟な勤務時間で生活と両立しやすい
- 週3日勤務や半日勤務など、勤務時間や曜日の調整が可能。
- 子育てや介護など家庭の事情に合わせて働ける。
- 体調に合わせて無理なく勤務できるため、長く続けやすい。
以下は看護師から、訪問看護に転職した人の声です。看護教員は残業や持ち帰りの仕事が多く、自分の時間が作れないことが多いですが、訪問看護は定時帰宅がマストですし、看護教員と違い、持ち帰の仕事は基本的にありません。また、看護教員から訪問看護に転職をすると、収入アップが見込めることが多いです。
(2)ブランクに理解がある充実した教育体制
- 先輩看護師との同行訪問期間が設けられている。
- 看護記録や支援計画の作成、他職種連携の方法など段階的に学べる研修がある。
- 質問や相談がしやすいフォロー体制が整っている。
(3)残業なしで体力的負担が軽減
- 疲労の蓄積が少なく、復職者でも安心して働ける。
- 学校のような残務が少ないため、身体的・精神的負担が少ない。
- 規則正しい生活リズムを維持でき、健康管理がしやすい。
なぜ看護教員の経験が、訪問看護で活かせるのか?

看護教員として積み重ねてきた経験は、訪問看護の現場でそのまま「強み」となります。臨床ブランクがあっても、「教育者としての視点・力」は在宅の場で確実に活かされます。
教員経験が活きる4つの理由と具体例
(1) 観察力が活きる(微細な変化に気づく力)
- 教員時代:学生の表情やしぐさから、理解度や体調の変化を察知
- 訪問看護:利用者の表情・呼吸・動作の変化から、体調悪化の兆候を早期に発見
(2)伝える力が活きる(わかりやすく説明する力)
- 教員時代:学生に看護技術や理論をかみ砕いて説明
- 訪問看護:利用者や家族へ服薬の注意点や生活指導を、やさしい言葉で説明
(3)アセスメント力が活きる(理論と実践をつなぐ力)
- 教員時代:「なぜこの援助を行うのか」を根拠立てて指導
- 訪問看護:観察→判断→支援のプロセスを、限られた時間と情報の中で的確に実行
(4)調整力が活きる(関係者との橋渡し役)
- 訪問看護:医師、ケアマネジャー、家族などと連携し、利用者を中心とした支援体制を整える
- 教員時代:学校・実習先・家庭の間での連携や対応調整
ブランクのある看護教員が訪問看護復職前にすると良いこと
訪問看護について勉強しておく
(1)参考書の活用
・訪問看護の基礎知識がまとめられた書籍を読む。
・最新の訪問看護の動向や技術を確認する。
(2)日本訪問看護財団のeラーニング受講
・オンラインで受講可能な講座を利用し、時間や場所を選ばず学習できる。
・訪問看護の基礎から実践まで体系的に学べる内容が多い。
(3)その他の学習方法
・訪問看護ステーションの見学や実習(可能であれば)。
・訪問看護関連のセミナーや講演会に参加し、現場の声を聞く。
復職支援を受けてみる
(1)研修会・講習会への参加
・各都道府県の看護協会やナースセンターが主催する復職支援プログラムに参加する。
・訪問看護特有の技術や知識、倫理、最新の法令・制度について学べる。
(2)実践的な支援を受ける
・復職前に訪問看護の現場で必要なスキルやコミュニケーション方法を体験できる場合もある。
・同じ復職者や経験者との交流により、復職の不安を軽減し情報共有ができる。
(3)情報収集
・復職にあたって必要な手続きや制度を確認する。
・復職先の訪問看護ステーションの特徴や勤務条件について調べる。
ブランクのある看護教員が働きやすい訪問看護ステーションの条件
(1)訪問看護ステーションの雰囲気やカラーが自分に合うこと
- 管理者の人柄
管理者が話しやすく、支援的であること。 - 職員の年齢層
自分とコミュニケーションが取りやすい年齢層が多いか。 - 職場の風通しの良さ
意見が言いやすく、働きやすい環境かどうかを確認する。
以下のように訪問看護は働きやすい職場が多いと感じる看護師が多く、そういった口コミが多いのも事実です。看護教員に気疲れした、少し休みたいあなたに、訪問関看護という選択は私からもおススメです。
(2)同行訪問の期間が十分にあること
- 段階的な業務習得
ブランクや経験に応じて、先輩看護師と同行訪問できる期間が設けられている。 - 安心して学べる体制
疑問や不安をすぐ相談できる環境が整っている。
(3)一通りの業務ができるようになる教育体制が整っていること
- 業務内容の段階的習得
看護記録の作成、他職種連携の方法、支援計画書作成、レセプト業務などを段階的に学べる。 - 研修やマニュアルの充実
教育プログラムや指導マニュアルが整備されている。
(4)ひとり立ち後のフォロー体制があること
- 相談しやすい環境
ひとり立ちしてもすぐ相談できる先輩や管理者がいる。 - 定期的なスーパービジョン
定期的に業務の振り返りや指導を受けられる機会がある。
(5)急なお休みへの対応が柔軟であること
- 家庭事情への理解
子育てや介護など急な休みに理解がある。 - 勤務調整の柔軟性
急な休みに対するフォローや代替勤務の体制が整っている。
転職活動に役立つ支援:在宅医療支援機構を活用しよう

看護教員から訪問看護へこのキャリアチェンジを前向きに進めるために、活用したいのが 在宅医療支援機構 です。在宅医療支援機構は、看護師・リハビリ職など在宅領域に特化した専門職の転職支援を行っており、訪問看護ステーションとの強いネットワークを持っています。
在宅医療支援機構を使うメリット
- 訪問看護に特化した求人を多数掲載
- ブランクのある人材を歓迎する施設の紹介が可能
- 教育・研修が整った安心できる職場を提案
- 履歴書・面接のサポートなど、転職活動を全面バックアップ
看護教員から訪問看護に転職を考えている人は、在宅医療支援機構の活用をおススメします。無料なのでリスクなし、それでメリットが得られるのであれば、活用しない手は有りません。
とは言え、どんなものか知らずに登録するのは良くないので、下記の記事を読んでからご活用下さい
最後に:教育から現場へ ― キャリアはしっかりつながっています
教員として積み重ねてきた年月は、決して“臨床から遠ざかっていた時間”ではありません。それはむしろ、人を見る力・育てる力・伝える力を磨いてきた貴重なキャリアです。
訪問看護は、単に“ケアを提供する場”ではなく、利用者の生活や人生そのものに寄り添う場。その本質は、教員として学生の成長を見守り、支えてきたあなたの姿勢と、きっとどこか重なるはずです。
看護師としての原点にもう一度立ち返りながら、新たなステージとして訪問看護を選んでみませんか?「もう一度、看護の力を社会の中で活かしたい」その想いを、今度は“現場”で、ゆっくりと形にしていきましょう。