【決定版】看護大学・専門学校教員から訪問看護へ。「安心して働ける職場」を見極める12のチェックポイント

老年看護学
この記事の目次
  1. 1. 通勤距離と移動手段をチェックしよう
  2. 2. 運営母体の違いを理解しよう
  3. 3. スタッフ人数=教育体制の質に直結
  4. 4. 利用者層と訪問件数は「働き方のリアル」に直結
  5. 5. オンコール体制の確認(必須)
  6. 6. 教育・研修体制は「安心して働き続けられる鍵」
  7. 7. 勤務形態と柔軟な働き方ができるか?
  8. 8. 給与と評価制度
  9. 9. 休暇の取りやすさ
  10. 10. 福利厚生
  11. 11. 人間関係
  12. 12. 直行直帰の可否と休憩時間の自由度
  13. 転職に不安がある方は「プロのサポート」を活用しよう
  14. 最後に

1. 通勤距離と移動手段をチェックしよう

ナビ先生
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訪問看護では、急変対応やオンコール対応があることも。そのため、通勤時間や移動のしやすさは、働きやすさに直結します。

✅ 移動に関するチェックポイント

  • 自宅からの距離は?
    急な呼び出しがあっても無理なく対応できる範囲か
  • 通勤手段は選べる?
    車通勤・自転車通勤・公共交通機関など、自分に合った方法が取れるか。
  • 駐車場の有無や料金は?
    車通勤が可能でも「近隣に駐車場がない」「自己負担が高い」ケースもあるので要チェック。

✏️ 教員経験者にとってのポイント

ムリのない通勤圏であるかどうかは、最初に確認しておきたい大切な要素です。

2. 運営母体の違いを理解しよう

ナビ先生
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看護教員としてのマネジメント経験や教育的視点を活かしたい方は、運営母体の方針はとても重要な判断材料です。

🔷 医療法人(医療系グループが母体)

特徴

  • 病院・クリニックが母体のことが多い。
  • 経営が安定しており、福利厚生や研修制度が整っている。

こんな方におすすめ

  • 安定した組織で安心して働きたい
  • 教育体制が整っている環境でスキルを活かしたい
  • 将来的に病院グループ内でキャリアの幅を広げたい

    🔷 株式会社(営利法人)

    特徴

    • 看護師が独立・起業して設立したケースも多い
    • 現場裁量が大きく、自由度が高い
    • 働き方や業務内容に柔軟性がある

    こんな方におすすめ

    • 自分の看護観を形にしたい
    • チーム育成やルール作りに関わりたい
    • 少人数制でのびのび働きたい

    ✏️ 看護教員としての経験を活かすには?

    組織としてのビジョン・理念が、教育者としての視点を活かせるかどうかのカギになります。見学や面接時に、管理者の考え方や職場の文化をしっかり確認しましょう。

    3. スタッフ人数=教育体制の質に直結

    🔷 大規模ステーション(常勤看護師7名以上)

    特徴

    • チーム制・マニュアル整備・振り返りの時間など、体制が充実
    • 同行訪問や教育担当の配置もあることが多く、訪問看護未経験者も安心
    • 医療依存度の高い利用者さんも多く、専門性を高める学びが得やすい

    こんな方におすすめ

    • ブランクがある方
    • 安心して学び直したい方
    • 他スタッフとのディスカッションやフィードバックを重視する方

    🔷 小規模ステーション(常勤2〜3名程度)

    特徴

    • アットホームな雰囲気で、個別性のあるケアがしやすい
    • 業務の裁量が広く、自分で考えて動ける自由な環境
    • 教育体制は最小限で、自主性・即戦力が求められる

    こんな方におすすめ

    • 小規模なチームでフラットな関係性を築きたい方
    • 自分で考えて動くのが得意な方
    • 教育制度そのものを構築したいと考えている方

    🪞自分にとって「学びやすい環境」とは?

    自分が心地よく成長できる環境をイメージすることが、ステーション選びのヒントになります。

    4. 利用者層と訪問件数は「働き方のリアル」に直結

    ナビ先生
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    訪問看護は、対象となる利用者さんの層や訪問件数によって、求められるスキルが大きく異なります。

    🔷 利用者層をチェックするポイント

    ▶ 見学時や求人情報で、「どんな疾患や年齢層が多いか」を確認しましょう。

    利用者層特徴向いている人
    がん末期終末期ケア、疼痛管理、看取り対応が中心緩和ケアに関心がある方、深く関わる看護をしたい方
    小児医療的ケア児、成長発達支援、家族支援など小児看護・家族支援が得意な方
    精神疾患統合失調症、うつ病、依存症などの生活支援・服薬管理精神看護や対話を大切にしたケアに関心がある方
    高齢者(一般)慢性疾患管理、リハビリ、認知症ケアなど地域包括的なケアに取り組みたい方

    🔷 訪問件数が与える1日の負担感

    訪問件数は、働き方に直結します。

    1日3〜4件程度

    • ゆとりを持って1件1件に集中できる。記録や振り返りの時間も確保しやすい。
    • 訪問看護が初めての方や、じっくり関わるケアがしたい方に◎

    1日5件以上

    • タイトなスケジュールで、移動・記録・ケアを効率的にこなす必要あり。
    • 慣れるまで体力的・精神的な負荷を感じることも。

    ✏️ 看護教員としての視点から

    授業や実習の準備で「タスク管理」や「時間配分」に慣れている教員経験者でも、訪問件数が多いと初めは想像以上に大変に感じることがあります。

    5. オンコール体制の確認(必須)

    ナビ先生
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    訪問看護では、夜間や休日の緊急対応(オンコール)が発生することがあります。

    ①担当回数はどれくらい?

    • 週に何回程度オンコールが回ってくるのか
    • 月の担当日数・休日対応の有無
      👉家族との生活リズムに合うか、負担になりすぎないか確認しましょう。

    ② 出動頻度は?どのくらい呼ばれる?

    • オンコール対応の出動回数(平均)
    • 電話のみの対応で済むケースの割合
      👉出動が多いステーションもあれば、月に1〜2回程度しかないところもあります。

    ③ フォロー体制・相談体制

    • 緊急時、他のスタッフに相談できる仕組みはあるか
    • 入職後すぐにオンコールを持たされないか(研修・同行期間はあるか)
      👉経験が浅い状態で1人で背負わないように、支援体制が整っているかはとても重要です。

    ✏️ 看護教員としての視点から

    面接や見学時には、「オンコールの流れ」「新人が対応するときの支援」について、遠慮なく確認しましょう。

    6. 教育・研修体制は「安心して働き続けられる鍵」

    ナビ先生
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    育成や学びを大切にするステーションは、安心して成長できる環境です。

    ① 研修・外部セミナーへの参加補助

    • 学会・研修への費用補助や勤務扱いの有無
    • 参加した内容を共有する文化があるか
      👉 組織として学びを支える姿勢があるかを見極めましょう。

    ② 同行訪問の期間

    • 未経験者向けに同行期間が設けられているか
    • 一人立ちまでに、段階的なサポートがあるか
      👉 同行3日で一人立ちなど無理のある職場は避けたい。

    ③ 定期的なフィードバックや面談の仕組みは?

    • 訪問後にチーム内で振り返る時間があるか
    • 定期的に上司や先輩と面談・課題のすり合わせが行われているか
      👉 学びながら成長したい人にとって、重要な要素です。

    ④ 育成を重視する「風土」があるか?

    • スタッフ同士で声をかけ合う雰囲気があるか
    • 経験の浅いスタッフへの理解や支援体制が自然に存在しているか
      👉 教員として「育てることの価値」を知っているからこそ、この空気感は見逃せません。

    ✏️ 見学・面接時のチェックポイント

    • 「新人教育はどのように行っていますか?」
    • 「過去に訪問看護未経験で入った方はどのように慣れていきましたか?」
    • 「研修や勉強会の参加頻度・内容は?」

    このような質問を通して、教育にかける本気度を探ってみましょう。

    7. 勤務形態と柔軟な働き方ができるか?

    ナビ先生
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    訪問看護は、働き方の自由度が比較的高い分野です。ただしその実情はステーションごとに大きく異なるため、事前確認がとても重要です。

    ① 常勤・非常勤の選択肢はある?

    • 週5日フル勤務だけでなく、週3〜4日勤務も可能か。
    • 社会保険や有休取得などの雇用条件の確認。

    ② 時短勤務や時差出勤はできる?

    • 「9:00〜16:00」「10:00〜15:00」などの時短勤務制度の有無
    • 子どもの送迎などに配慮した柔軟な勤務時間の設定が可能か。
      👉 家庭の事情に理解のある職場かどうかが見えてきます。

    ③ 曜日固定・シフトの相談ができる?

    • 「この曜日は勤務できない」「毎週◯曜は早上がり希望」など、曜日の融通がきくか
    • 曜日固定で働くスタッフが他にもいるか聞いてみましょう。

    ④ オンコールの有無と関係する働き方も要確認

    • 非常勤や時短勤務の場合、オンコール対象外にしてもらえるケースもある。
      👉 ライフスタイルに合わせたオンオフの線引きができるかがポイント。

    ✏️ 看護教員からの転職者にとっての視点

    ▶「勤務日や時間の相談ができるか」「スタッフの多様な働き方を受け入れているか」
    面接時には、柔軟な文化があるかどうかをしっかり確認しましょう。

    8. 給与と評価制度

    ナビ先生
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    訪問看護の給与水準は、勤務形態・地域・法人の方針によって幅があります。

    💰 給与の目安(一般例)

    勤務形態給与の目安備考
    常勤年収350万〜500万円前後地域・経験・オンコールの有無により変動大
    非常勤時給1100円〜2000円訪問件数に応じたインセンティブ制のことも

    ※ 上記は一例です。実際の条件は必ず求人票や面接で確認を。

    ✅ 給与に関するチェックポイント

    ① 「みなし残業代」は含まれている?

    • みなし残業制度がある場合、何時間分で何円かを明示しているか
    • 実際の残業時間と乖離がないかも聞いておきましょう。

    ② 昇給の仕組み・タイミングは?

    • 年1回の昇給制度があるか
    • 経験年数や役割(リーダー業務・教育担当など)に応じた昇給モデルが明示されているか

    👉 看護教員として「教育的役割」を担える方は、評価につながる職場もあります。

    ③ 賞与(ボーナス)はある?

    • 常勤スタッフに対する賞与の有無・支給時期・支給額の目安
    • 非常勤でもインセンティブ制度がある場合もあります。

    ④ 評価制度が整っているか?

    • 人事評価の仕組みがある(例:目標管理・面談・フィードバック)
    • 何を評価対象とするか(訪問件数だけでなく、教育支援・チーム貢献も含まれるか)

    ✏️ 教員経験をどう活かすか?

    • 「どういった観点で昇給や昇進が決まりますか?」
    • 「教育や後輩指導に関わると、評価対象になりますか?」

    こうした質問を通して、自分の強みが活かされる環境かを見極めていきましょう。

    9. 休暇の取りやすさ

    ナビ先生
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    訪問看護は利用者さんの訪問が優先されるため、休暇が取りづらい職場も少なくありません。

    ① シフト制か固定休か?

    • 土日祝日が固定で休みか、それともシフト制か。
    • 週末の休みが取れるかどうかは、プライベートの充実に直結します。

    ② 有給休暇の取得率はどれくらい?

    • 取得率が高い(例:70%以上)職場は、スタッフの働きやすさを反映しています。
    • 逆に、有給を取りづらい雰囲気があるかどうかも見極めたい。

    ③ 振替休日や代休の制度はあるか?

    • 急な訪問や残業の際に、振替休日が取得できるか。
    • きちんと代休が運用されているかを面接や見学時に確認しましょう。

    ④ 急な休みに対する対応は?

    • 急な体調不良や家庭の事情で休む場合、代替スタッフの確保は可能か。
    • スタッフ同士の協力体制が整っているかも大切です。

    ✏️ 看護教員としての視点

    教員時代に培った計画的な時間管理の視点を活かし、「安心して休める環境」であるかどうかをしっかり確認しましょう。

    10. 福利厚生

    ナビ先生
    ナビ先生

    訪問看護ステーションは中小規模の施設も多く、福利厚生の充実度には差があります。

    ① 健康診断・予防接種の実施

    • 法令に基づく定期健康診断があるか
    • インフルエンザ予防接種の補助など、健康管理支援はどうか

    ② 交通費支給

    • 通勤にかかる費用が支給されるか、上限額はどの程度か
    • 駐車場代の補助や無料駐車場の有無も確認

    ③ 制服貸与・クリーニング代補助

    • 制服の貸与があるか、クリーニング代の補助はあるか
    • 服装に関する負担軽減がされているか

    ④ 産休・育休の取得実績

    • 実際に産休・育休を取得したスタッフがいるか
    • 復職率や支援体制が整っているかを面接時に聞いてみましょう

    ⑤ 退職金制度の有無・内容

    • 退職金や企業年金制度があるか
    • 勤続年数や条件を確認し、将来の安心につながるか

    ✏️ 看護教員としての視点

    教育現場で培った計画性を活かして、福利厚生の内容も細かくチェックし、納得のいく職場を選びましょう。

    11. 人間関係

    ナビ先生
    ナビ先生

    「安心して相談できる管理者」や「お互いを尊重し合えるスタッフ間の雰囲気」を見極めることが重要です。

    ① 管理者との相性

    • 管理者がスタッフを「人財」として大切にしているか
    • 威圧的・無責任な態度がないか
    • 教育者としての視点や経験を理解し、活かそうとする姿勢があるか

    ② スタッフ同士のコミュニケーション

    • スタッフ間で悩みや不安を気軽に相談できる雰囲気か
    • 年齢層や経験のバランスがどうか
    • チームとして協力し合う文化があるか

    ③ 見学や面接時にチェックすべきこと

    • スタッフの表情や話し方、言葉遣いから職場の雰囲気を感じ取る
    • 管理者に「教育的な役割を希望している」旨を伝えた時の反応
    • 実際にスタッフに質問できる機会があれば積極的に活用する

    ✏️ 看護教員としての視点

    「この職場で自分の教育的視点を活かせるか」「安心して相談や意見交換ができるか」

    これらは面接前後の見学で必ず確認し、自分に合う環境かどうか慎重に判断しましょう。

    12. 直行直帰の可否と休憩時間の自由度

    ナビ先生
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    訪問看護は直行直帰が可能な職場も多く、通勤時間の短縮や効率的な働き方につながります。

    ① 直行直帰は可能か?

    • 自宅や別の場所から直接利用者宅へ訪問できるか
    • ステーションへの出社・帰社が必須かどうか

    ② 訪問間の休憩時間の過ごし方は自由か?

    • ステーションに戻って休憩を取る必要があるか
    • 自由に時間を使える場合、仕事の合間の自己管理が求められる

    ✏️ 看護教員の視点で考えるポイント

    看護教員として培った計画性と自己管理能力は、訪問看護での自由度の高い働き方に非常に役立ちます。

    転職に不安がある方は「プロのサポート」を活用しよう

    ナビ先生
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    情報収集や条件交渉が難しいと感じたら、看護師専門の転職サイトを活用しましょう。

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    最後に

    看護教員としての経験は、訪問看護の現場でも大きな武器になります。

    教育者としてのまなざしを活かしながら、利用者さん一人ひとりと丁寧に向き合うそんな働き方を訪問看護で実現できるかもしれません。

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