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科目名
成人看護学(周手術期)
目的
手術を受ける成人患者に対して、手術前から手術後までの各時期における身体的・心理的変化と、その時期に応じた看護の視点を理解する。さらに、チーム医療の中で看護師が果たす役割を明確にし、安全・安楽を保障する周手術期看護を実践するための知識と技術を修得する。
到達目標
- 周手術期の区分と、それぞれの時期における患者の変化を説明できる。
- 手術前・術中・手術後に必要な看護援助を理解し、適切な看護実践の根拠を説明できる。
- 周手術期におけるリスク(合併症、医療事故など)と予防的介入について説明できる。
- チーム医療の中で看護師が担う役割を理解し、他職種との連携について具体的に述べることができる。
- 患者の不安・恐怖・苦痛など心理的側面への支援方法を説明できる。
授業内容(90分×全8回)
第1回 周手術期とは何か―基本的理解と看護の視点
- 周手術期の定義と三つの時期(術前・術中・術後)
- 各時期における患者の身体的・心理的特徴(例:術前の不安、術後の倦怠感など)
- 周手術期における看護の目的(安全性の確保・苦痛の軽減・早期回復の促進)
- チーム医療における看護師の立ち位置と連携の必要性(例:医師、麻酔科、手術室看護師、薬剤師との連携)
第2回 手術前の看護―情報収集と不安への支援
- 術前評価に必要な情報:既往歴、アレルギー、内服薬、バイタル、検査データ、ADL、社会背景
- 術前訪問の意義とタイミング:信頼関係の構築とアセスメントの重要性
- 不安・恐怖への支援:傾聴、情報提供、リラクセーション法など
- 患者の意思決定支援:インフォームド・コンセントへの関わり
第3回 手術前の看護―術前準備と安全管理
- 絶食・絶飲の指示とその根拠
- 皮膚の清潔(シャワー浴・毛剃り)と感染予防
- 排泄コントロール(導尿・摘便の判断)
- 呼吸リハビリ(深呼吸、排痰練習、インセンティブスパイロメトリーの指導)
- 手術部位確認、アレルギー確認、誤認防止(患者確認、ネームバンド、術式)
第4回 手術当日の看護―移送と手術直前の対応
- 手術当日の流れ:病棟での準備から手術室搬送まで
- 麻酔導入前の観察項目:バイタル、意識状態、不安の程度
- 物品・書類の準備、点滴ライン・ルート確認、手術部位のマーキング確認
- 安心感の提供:言語的・非言語的コミュニケーション
- 手術室看護師への申し送り内容(患者情報・注意点・観察事項)
第5回 術中の看護―手術室内での看護の実際
- 手術室看護師の役割:器械出し・外回りの具体的業務
- 手術体位の保持:褥瘡予防、神経損傷の防止、体温保持の工夫(温風布団など)
- 血液・体液・出血量の管理、輸液管理、全身状態の把握
- タイムアウトの実施、安全確認(WHO方式)
- 術中の急変リスクと対応(アナフィラキシー、出血性ショックなど)
第6回 手術後直後の看護―回復室でのモニタリング
- 麻酔からの覚醒プロセスと評価ポイント(GCS、瞳孔、発声)
- バイタルサインの変動、創部の観察(出血、腫脹、ドレーン)
- 呼吸状態(SpO₂、努力呼吸、気道確保)、循環動態(ショック兆候)
- 尿量や意識レベルのモニタリング(術中投与薬の影響の観察)
- 苦痛の緩和:疼痛スケールを用いた評価と対応(例:フェンタニルPCA)
第7回 術後急性期の看護―合併症予防と援助
- 代表的な合併症:肺炎、深部静脈血栓症(DVT)、創部感染、イレウス
- 疼痛管理:NSAIDs、オピオイド、非薬物的アプローチ(体位変換、温罨法)
- 食事開始と排泄支援のタイミングと方法
- 離床の援助:起立性低血圧の予防、転倒予防対策
- 看護記録と術後経過表の活用、経過観察ポイントの共有
第8回 退院に向けた看護―セルフケア支援と生活指導
- 創部管理、感染徴候の観察方法とセルフチェックの指導
- 退院後の服薬指導と生活上の注意点(食事、入浴、運動)
- 家族や地域支援体制との連携(訪問看護、福祉サービス)
- 再受診の目安と緊急時の対応方法の説明
- 退院指導におけるアセスメント視点と個別性への配慮

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