精神看護学Ⅰ(日常生活の援助)シラバス例

精神看護学
ナビ先生
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科目名

精神看護学Ⅰ(日常生活の援助)

科目の目的


本授業では、精神に障害をもつ人々の日常生活の援助に関する基本的知識と実践的理解を深める。援助的関係の構築、ケアの原則と方法、自己理解と対人関係、回復志向の看護、治療的環境、社会生活支援、リエゾン看護の視点を通じて、精神看護の専門性を培うことを目的とする。

到達目標(目標)

  1. 精神看護における援助的関係の重要性とその構築方法を説明できる。
  2. ケアの前提・原則・方法を理解し、具体的な援助につなげることができる。
  3. 自己理解を通じて、対象との関係性や看護実践に活かす視点をもつことができる。
  4. 精神障害者の「回復(リカバリー)」概念を説明し、看護の関与について考察できる。
  5. 入院治療の目的や意味を理解し、治療過程における看護の役割を説明できる。
  6. 治療的環境の要素と看護師の関与について理解し、実践的に説明できる。
  7. 社会生活への適応支援についての看護援助を具体的に説明できる。
  8. リエゾン看護の目的と展開について理解し、多職種連携の視点をもつことができる。

授業構成(全8回)


第1回 テーマ:援助的関係の基本と患者-看護師関係
・精神科看護における援助的関係の役割と重要性についての概要
・患者との信頼関係を築くためのコミュニケーションと態度
・ラポール形成の過程と具体的な関わりのあり方
・専門的関係としての患者-看護師関係の特徴と限界
・関係構築に影響する要因(患者特性・看護師の内的要因など)の整理

第2回 テーマ:コミュニケーションとプロセスレコード
・精神科における言語的・非言語的コミュニケーションの特徴と活用場面
・患者とのやり取りを記録・分析するプロセスレコードの構造と書き方
・対象の反応や自分の関わりを客観的に捉える方法
・プロセスレコードを用いたふりかえりとケアの見直し
・事例を使ったプロセスレコード記述演習

第3回 テーマ:ケアの前提・原則・方法
・精神看護における倫理的なケアの前提(尊厳・人権・自律の尊重)
・安全・安心を保障するケア提供の基本的姿勢
・日常生活支援における観察・声かけ・行動誘導の方法
・看護計画と日常的ケア(食事・睡眠・清潔など)の関連
・患者個別のニーズに応じたケア方法の工夫

第4回 テーマ:自己理解と看護実践
・援助的関係における「自己」の在り方と影響の受け方
・看護師自身の価値観や感情がケアに与える影響
・転移・逆転移の実例とその理解を深める作業
・自己覚知を促す簡易ワーク(感情ログ、価値観マッピングなど)
・自己理解を活用したコミュニケーションの工夫

第5回 テーマ:回復(リカバリー)を支える看護
・「リカバリー(回復)」という概念の背景と現在の捉え方
・対象者の希望・強みに焦点を当てた支援の考え方
・回復志向の支援における看護師の関わりと具体的な援助内容
・リカバリーモデルに基づく支援と医療モデルとの違い
・ピアサポートや当事者活動の紹介

第6回 テーマ:入院治療の意味と看護の役割
・精神科入院の種類とその目的(任意入院・措置入院など)
・入院生活における治療環境と看護師のかかわり(生活支援・服薬管理など)
・隔離・身体拘束の実施状況と倫理的課題
・多職種チームとの連携における看護師の視点
・入院による影響(社会的孤立、役割の喪失など)の理解と対応策

第7回 テーマ:治療的環境の構築
・治療的環境を構成する要素(物的・人的・心理的)とその相互作用
・患者の安心と尊厳を守る環境調整の実際(空間配置、日課、声かけなど)
・看護師が関与する環境整備の工夫とその効果
・入院中のトラブル事例と対応例の共有
・集団生活の中での自己コントロール支援の工夫

第8回 テーマ:社会生活の適応とリエゾン看護
・退院支援における看護の役割とタイミングごとの支援内容
・社会生活技能訓練(SST)や地域支援制度の基本情報
・訪問看護や就労支援など、地域移行支援の具体的内容
・身体疾患を持つ対象へのリエゾン看護の視点と展開方法
・一般科における精神看護の課題と連携の工夫

新人ちゃん
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