科目:日常生活援助技術Ⅱ(食事、排泄)
科目の目的
日常生活の基本的援助技術のうち、食事および排泄に関する援助について、対象の状態を適切にアセスメントし、安全で尊厳を守る実践的な援助が行える基礎的能力を養う。
到達目標
- 食事および排泄に関する援助技術の基本的知識を理解する。
- 対象の状態に応じた食事・排泄援助の選択と実践ができる。
- 援助の際の安全管理、プライバシー保護、感染予防に配慮した行動がとれる。
- 摂食嚥下障害や排泄障害を有する対象に対し、根拠に基づいた援助を説明できる。
- 食事・排泄援助に関する記録・報告・連携が適切に行える。
授業構成(全10回)
第1回:食事援助の基本
- 食事援助の目的と看護における意義
- 食事援助に必要な基本的知識(栄養、食事の形態、文化的背景)
- 援助時の観察ポイント(食欲、摂取量、体位、表情など)
- 安全な食事援助に必要な姿勢・環境整備
第2回:食事摂取の援助
- 食事環境の整え方とその意義(安心・自立の促進)
- 自力摂取困難な対象への介助方法(スプーンの使い方、声かけ)
- 安楽なポジショニングと体位保持の実際
- 介助中の観察項目とフィードバックの仕方
第3回:摂食・嚥下の仕組みと障害
- 摂食嚥下の5期(先行期~食道期)の生理学的理解
- 嚥下障害のサイン(むせ、咳、湿性嗄声など)
- 疾患や障害による嚥下機能の変化
- 嚥下評価の基本的観察とアセスメント視点
第4回:摂食嚥下障害への援助技術
- 嚥下障害への間接訓練・直接訓練の種類と目的
- 食形態の工夫(ミキサー食、ソフト食など)
- とろみ剤の種類と調整の仕方
- 誤嚥防止のための食事介助技術と口腔ケアの関連性
第5回:経口以外の栄養摂取の援助
- 経管栄養(経鼻胃管・胃瘻)の適応と概要
- 栄養注入時の体位管理と観察ポイント(誤嚥、腹部膨満など)
- チューブ挿入部位のケアと感染予防
- 栄養剤の管理と注入速度への配慮
第6回:排泄援助の基本
- 排泄の生理(排尿・排便のメカニズム)
- 排泄援助の基本的考え方(自立支援・尊厳保持)
- 排泄パターンの観察とアセスメント
- 排泄環境(トイレ、ポータブルトイレ、オムツなど)の整備
第7回:自然排尿・排便の援助
- トイレ誘導のタイミングと方法
- 排泄のタイミング把握の重要性(生活リズムの理解)
- オムツ交換の手順と皮膚トラブル予防
- 寝たきり対象への排泄援助の工夫
第8回:導尿技術の基礎
- 導尿の目的と適応・禁忌
- 無菌操作の基本と導尿実施の手順
- カテーテルの種類と選択基準
- 合併症予防(感染、損傷など)と観察項目
第9回:排便を促す援助技術
- 排便パターンのアセスメント方法(便秘、下痢、失禁など)
- 下剤の種類と特徴(刺激性、浸透圧性など)
- 浣腸・摘便の実施手順と留意点
- 排便時の羞恥心軽減への配慮、説明の工夫
第10回:排泄に関する複雑な援助とその対応
本教材のご利用にあたって
- 教材の目的と活用方法について
本教材は、授業の「幹」となる設計を目的としており、貴校のカリキュラムや学習レベルに応じたアレンジを推奨しています。具体的には、スライドや板書の追加、発問の工夫など、先生ご自身の教育スタイルに合わせてご活用いただけます。
- AIツールを活用した資料作成について
本資料は、AIツールを活用して初稿を作成し、その後、看護教員としての経験や視点を反映させながら内容の精査・調整を行っています。効率化と質の両立を目指し、忙しい現場の先生方が実際に使用できる形に整えました。
使用前には、必ず内容やエビデンスをご確認のうえ、授業内容に適した最終的な調整を行ってください。
- 商用利用および再配布の禁止
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