授業づくりは孤独だった。だから私は書き始めた

教員コラム:現場と教室の間で

看護教員として働きはじめた頃、最初に戸惑ったのが「授業づくり」でした。授業はするものの、「どうやって準備したらいいのか」「どこまで細かく設計するのか」「評価はどう組み立てればいいのか」誰も明確には教えてくれませんでした。

引き継ぎの資料はある。前任者のスライドもある。けれど、それを“どう使うか”のヒントはなくて、手探りの日々が始まりました。

「このやり方でよかったのかな?」の繰り返し

授業を終えるたびに、自分の中にふっと疑問が浮かびます。

「学生にちゃんと伝わったかな?」
「この進め方、よかったのかな?」
「もっと別のアプローチがあったのかも……」

不安になる。でも、誰かに相談できるようで、なかなかできない。
同じ教員でも、専門分野が違ったり、忙しかったり、自分のことを話すタイミングがつかめなかったり。

そんな状況に、孤独を感じる瞬間がありました。

情報は、驚くほど共有されていなかった

看護教員は全国にたくさんいます。それぞれの現場で授業をし、学生を育てているはずなのに「どうやって教えているのか」「どう評価しているのか」といった実践的な知識は、あまり表に出てきません。

学校によってやり方が違うのは当たり前。でも、「誰もが一度は悩むポイント」や「工夫してみたこと」は、もっと広く共有されていいんじゃないか。
そう思うようになりました。

看護教育の現場には、もっとシェアが必要だと思う

自身が作った授業案を書き残していくことで、誰かの役に立つかもしれない。そんな思いから、「看護教員の図書館」というブログを始めました。

授業をつくること。実習を支えること。評価を考えること。
そのどれもが、やりがいがあって、責任のある仕事です。

でも、その裏側で、私たち教員自身が「正解がわからない」と迷う瞬間もたくさんあります。それを誰にも言えずに飲み込んでしまうと、苦しくなる。

だからこそ、情報の共有や、経験のシェア、悩みの発信は、とても大切だと思います。

最後に:あの頃の自分に向けて

このブログは、いま看護教員として奮闘している方に向けて書いています。
でも同時に、いちばん届けたいのは、あの頃の自分、授業づくりに悩んでいた新人教員の私です。

「これでいいのかな?」と手探りだった日々。
自信が持てず、不安で、でも学生の前では“先生”として立ち続けていたあの頃の自分に、そっと言ってあげたい。

「大丈夫、同じように悩んでいる人はちゃんといるよ」って。ブログを通して、皆様の力になれたらと思っています。

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