■科目名:在宅看護概論
目的
在宅療養を支える看護の基盤的理解を深め、地域で生活する療養者とその家族に対する看護の視点と役割を理解する。社会的背景や制度、在宅における特有の課題についても学び、今後の在宅看護実践に必要な基礎的知識を修得する。
目標
- 在宅看護の基本的な概念と看護師の役割を説明できる
- 社会構造や制度、在宅看護に影響する背景を説明できる
- 在宅看護における看護倫理や権利擁護の考え方を理解できる
- 在宅療養におけるリスクや安全管理の重要性を説明できる
- 在宅看護に関わる制度や社会資源を活用した支援について説明できる
授業構成(全8回・各回90分)
第1回 テーマ:在宅看護の基本と看護師の役割
- 在宅看護の定義と目的
- 在宅療養を支える看護の意義と必要性
- 在宅看護における看護師の役割と実践領域
- 在宅療養者・家族のニーズと在宅看護の対応
- 病院看護との違い、生活支援の視点
第2回 テーマ:看護の変遷と社会・家族構成の変化
- 看護の歴史と医療の場の変遷(施設から在宅へ)
- 少子高齢化、核家族化など社会的背景の変化
- 家族形態の多様化とケア提供の実際
- 地域包括ケアシステムの概要と在宅看護との関連
- 在宅療養を支える社会的仕組みと課題
第3回 テーマ:在宅看護における看護倫理と権利擁護
- 在宅看護における倫理的配慮(プライバシー、尊厳など)
- 患者の意思決定支援とインフォームド・コンセント
- 認知症や意思表出困難な対象への対応
- 看取りのケアと意思の尊重
- 権利擁護の必要性と虐待の防止
第4回 テーマ:在宅看護の対象と生活支援
- 在宅看護の対象となる人々(慢性疾患、難病、障害児・者、ターミナルなど)
- 各対象に応じた看護の視点
- 自立支援とQOLの向上を目的とした看護
- 家庭内の生活環境とケアの調整
- 対象に応じた在宅ケアの課題と工夫
第5回 テーマ:在宅看護の提供方法と訪問看護制度
- 訪問看護の仕組みとサービス内容
- 通所・短期入所・訪問診療との連携
- 訪問看護ステーションの役割と機能
- 利用者とサービス提供者の関係構築
- 訪問看護の実際の流れ(アセスメント、計画、実施、評価)
第6回 テーマ:入退院支援と医療・施設間の連携
- 入退院支援における看護師の役割
- 医療機関と在宅間の情報連携の重要性
- 多職種連携の具体例(病院、訪問看護、ケアマネ、薬剤師など)
- 地域包括ケア会議・退院前カンファレンスの活用
- 継続看護を実現するためのポイント
第7回 テーマ:在宅看護におけるリスクマネジメント
- 在宅で起こりやすい事故とその要因(転倒、誤薬、窒息、火傷など)
- 医療機器の使用に伴うリスク(在宅酸素、カテーテル類など)
- 感染予防対策と清潔ケアの実際
- 高齢者や障害者への虐待リスクと防止
- 家族や介護者の負担とバーンアウトの予防
第8回 テーマ:法令・制度・社会資源の理解と活用
- 在宅看護に関する主要な法制度(医療法、介護保険法、障害者総合支援法など)
- 訪問看護における制度的枠組みと報酬体系
- 社会資源(地域包括支援センター、福祉用具、民間支援など)の種類と使い方
- ケアマネジメントの視点と連携の在り方
- 制度を活かした継続支援と地域とのつながり
本教材のご利用にあたって
- 教材の目的と活用方法について
本教材は、授業の「幹」となる設計を目的としており、貴校のカリキュラムや学習レベルに応じたアレンジを推奨しています。具体的には、スライドや板書の追加、発問の工夫など、先生ご自身の教育スタイルに合わせてご活用いただけます。
- AIツールを活用した資料作成について
本資料は、AIツールを活用して初稿を作成し、その後、看護教員としての経験や視点を反映させながら内容の精査・調整を行っています。効率化と質の両立を目指し、忙しい現場の先生方が実際に使用できる形に整えました。
使用前には、必ず内容やエビデンスをご確認のうえ、授業内容に適した最終的な調整を行ってください。
- 商用利用および再配布の禁止
本教材は、教育現場での授業や学習支援を目的として提供するものであり、商用目的での利用を禁止しています。また、本教材の内容(文章・構成・形式)の無断転載、再配布、または改変しての二次販売を禁じます。教育目的以外での利用を希望される場合は、事前にご連絡ください。
【免責事項】
- 本教材の内容には十分な注意を払っておりますが、医学・看護学に関する情報は常に変化する可能性があります。最新のガイドラインや教科書、文献等をご参照のうえ、適宜ご確認・修正を行ってください。
- 本教材の使用によって生じた結果や損害について、作成者は一切の責任を負いかねます。必ず使用者ご自身の責任で内容の確認・判断をお願いいたします。