科目名
診療の補助技術Ⅰ(与薬)
目的
看護師が安全かつ適切に与薬を行うために必要な薬物療法の基礎知識と与薬技術を習得し、患者の状態を的確に判断しながら薬物療法を支援できる能力を養う。
到達目標
- 薬物療法の目的や看護師の責任を理解し説明できる。
- 各経路による与薬方法と適応、観察点を具体的に説明できる。
- 注射・点滴・輸液・輸血などの手技を理解し、実施手順を順序立てて説明できる。
- 与薬におけるリスク管理(誤薬、感染、合併症など)を理解し、安全な看護行為ができる。
- 採血や血糖測定など、薬物療法に関連する技術について説明・実践できる。
講義内容(全10回)
第1回:薬物療法の基礎と看護師の責任
・薬物療法の目的:治療・予防・診断・症状緩和
・薬物の分類(例:鎮痛薬、抗菌薬、降圧薬など)と作用の基本
・看護師に求められる与薬時の判断力、観察力、倫理的責任
・医療事故につながる事例紹介と防止の視点
第2回:与薬の原則と医療安全(6つのR)
・与薬の6つの原則(正しい薬・用量・時間・方法・患者・記録)
・与薬前チェック項目の具体例:アレルギー、意識レベル、嚥下機能など
・ダブルチェックの手順と実践方法
・インシデント・アクシデント報告事例の検討
第3回:経口薬・口腔内薬・坐薬の与薬技術と留意点
・錠剤・粉薬・液剤の取り扱いと粉砕・混合の判断基準
・経口薬を飲めない患者(嚥下困難、意識障害)への対応
・口腔内与薬(口腔ケアと関連)、坐薬の挿入手順とプライバシー保護
・排泄の観察ポイントと投与後の対応
第4回:点眼・点耳・点鼻・経皮与薬の技術と感染予防
・各薬剤の吸収部位と作用の仕組み
・点眼時の手順(涙囊圧迫の必要性など)、複数薬剤使用時の順番
・経皮吸収型製剤(貼付薬)の貼付部位の選定と皮膚トラブルへの対応
・自己管理が困難な患者への看護支援の具体策
第5回:注射法①(皮内・皮下・筋肉注射)の技術と観察
・各注射法の目的と適応:例)皮内注射(ツベルクリン反応)、皮下注射(インスリン)、筋肉注射(ワクチン)
・穿刺部位の解剖学的理解と選定根拠
・実際の手技(角度、針の長さ、注入速度)
・注射後の皮膚状態、アレルギー反応などの観察
第6回:注射法②(静脈内注射・点滴静脈注射)
・静脈確保の手順と血管選択のポイント(前腕・手背など)
・薬剤の希釈・混注の注意点(禁忌の組み合わせ例など)
・滴下数の計算方法(マクロ・ミクロドリップ)と調整方法
・静脈炎や血管外漏出の予防と対応
第7回:中心静脈カテーテル(CVC)の管理と看護
・中心静脈カテーテルの種類(PICC、CVポートなど)と適応例
・穿刺部位(鎖骨下・内頸・大腿)の解剖と管理方法
・感染徴候(発赤、腫脹、発熱)の早期発見
・清潔操作(手指消毒、無菌ガウン・手袋の使用)の具体例
第8回:輸液ポンプ・シリンジポンプの使用とトラブル対応
・ポンプの種類と使い方:セットの組み立て、空気除去の方法
・警報の種類とその対処法(閉塞、空気混入、バッテリー切れなど)
・流量設定ミスによる臨床リスクと事例紹介
・ポンプ使用時の観察項目と記録内容
第9回:輸血の基礎知識と看護実践
・輸血の種類(赤血球製剤、血漿、血小板)と保存条件
・血液型・交差試験の意義と手順
・副作用の種類(発熱性非溶血性反応、アナフィラキシーなど)と初期対応
・輸血管理記録の記入例と事後観察
第10回:採血・血糖測定の実践と臨床的活用
・末梢静脈採血の手技(駆血、穿刺角度、順番、逆流防止)
・採血管の種類と検査目的との関連(例:紫:血算、赤:血清)
・血糖測定器の使用手順と測定結果の解釈(正常値・異常値)
・採血後の止血、穿刺部位の観察と患者指導

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